日々破戒して

YARE YARE というバンド、ラップをやっている

食品工場

 

 

 

 

 

 

「オニイチャン、チガウ、モットスクナクシテ!」

 

 

 

はい、と返事し僕はマヨネーズを絞る量を減らした。ホイップクリームを出すあの袋を想像して欲しい。それをコンベアに乗ってやってくるハンバーガーの中に抽出していき、蓋をするようにパンを被せていく。

 

先程まで行っていた、ブロック状に重なったハムを剥がし四つ折りにして一列につき25枚ずつ整列させていく作業と比べると、楽しい。ハム行はなかなか繊細かつスピードが求められる作業で、肩が凝り辛かった。(「キレイニ。ホントニ25マイ?」)

 

こうして流れ作業で完成していく食品を見ると、不思議な気持ちになる。いつも目にしているのは完成し綺麗にパッケージされたものだけだからだ。それは食べ物でなく、大量生産される模型か何かに見えなくもない。

 

アジア系の外国人の人が多く、僕には全く分からない言葉で楽しそうに話しながら仕事をしている。

 

今は昼休みで、全身白で顔だけが出る作業着を着用したまま、畳の部屋でお茶を飲んでいる。外国の方々は元気に話しているが、日本の方々は僕のように単発のバイトでみな知らぬもの同士なのか、皆黙りこくってパンを食べている。

 

毛髪混入防止で色々被っているので、頭がかゆい。思ったよりも工場が遠く、ぎりぎりに到達したため昼ごはんを買いに行く時間がなかった。外出はできない。パンの販売機があるが、小銭を数えると100円しかなく、10円足りず買えない。今日初めての出勤で、知り合いもおらず、諦めた。もしこの場で、「誰か、10円貸してくれませんか!?」と叫んだらどうなるだろうか。

 

相変わらずバイトをしていると、やはり「俺は何をやってるんだ?」という気持ちになる。空いた時間にブログを書き続けること少で少しでも何かの足しになるだろうか。

 

お茶だけはSUIKAで買えたのでよかった。

 

 

↑ 午前

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↓ 午後

 

 

時計を見ても、まだ13時にしかなっていない。この時の進みの遅さはなんだろう。少しでも気が緩むと流れ作業の後ろの方に迷惑がかかるとはいえ、内容自体はそこまで辛いものではない。だが認めよう。僕は精神的に参ってる。なぜだろうか?この孤独感。それ以外にない。初めて来た場所で、周りは外国人か、高校生ばかり。作業をしているうちはいいが、ひと段落し、次の作業に移るまでの間、何をすればよくわからず、右往左往している自分が情けない。くそったれ。常勤のみんなは楽しそうにどこかの国の言葉で話している。そうか。職場でのもっとも大事な要素は、「人間関係」これに尽きるという。つまり、仕事の快、不快に仕事の内容自体はそこまで影響しないのではないか。仲間がいれば頑張れる。僕は一人。もうだめ。

 

 

そう思ってると「オニイチャン、@;@^。」と、話しかけられ、

「ふぁ っ!!!???」

先ほど注意された、ヘアバンドが下に降りてきているので鏡を見て直して来い、という事なのかと思い、頭を指し「これですか!??」と聞く、周りの人たちが何も言わず僕をじっと見る。「鏡、見て直してきます!!!」というと「チガウ」と言う。向こう側のベルトコンベアの人が、僕を見て、「ニホンジンデスカ?」と聞くので、日本人です。というと、「ニホンゴワカリマセーン!」と言い、みんなが少し笑った。「モミアゲ」というので、あ、やっぱりさっき注意されたのと同じ、もみあげがはみ出てるのだと思い、その場で適当に直す。

 

「ナンサイ、ダイガクセイデスカ!」

 

「いえ、26歳です」

 

「ワカーーイ。アタシハ17歳ヨ」

 

50代と思しきフィリピンの女性は笑った。冗談を言ってくれたのだと思うと、受け入れられた気がして、嬉しくなってきた。 「そうなんですか!お若いですね〜〜〜〜!」

と特にひねりもなく返す。「ワカイシ、カオモカッコイイシ!」というので、さらにテンションが上がり、その後の僕の作業スピードは見違えるほど早くなった。以前、「フィリピンだったらモテるよ」とフィリピン女性に言われたことがある。フィリピンに移住したい。

 

 

その後は僕の隣でパンに切れ込みをいれ、僕に渡す役をしていた中国からきたおばちゃんが話しかけれくれ、少しだけ身の上を話し合った。僕は渡されたパンにサニーレタスをいれながら、しゃべれるだけで、全然違うな、嬉しいな、と思った。

 

 

 

17時になり工場を出た。夕方の光が夏の草木を美しく光らせていた。田んぼと踏切がある。踏切に咲く向日葵は既に下を向いていた。出来れば散策して帰りたいが、帰って音楽をやらなければと思い、原付バイクを走らせ直ぐに帰った。